otセキュリティとは、簡単に言えば工場のサイバー攻撃に対するセキュリティのことをいいます。ちょっと前までは、工場がサイバー攻撃の対象になることはほとんどありませんでした。なぜなら、工場で使われている様々なデジタル機器はインターネットに接続されておらず、閉鎖的なシステムだったからです。しかし、最近では工場のデジタル機器もインターネットに接続しなければ立ち行かないようになってきつつあります。

インターネットに接続されてしまえば、当然ながらサイバー攻撃のターゲットになってしまいます。実際に工場をターゲットにしたサイバー攻撃は発生しており、工場が操業停止に追い込まれたり、システムを復旧して欲しかったらお金をよこせというような脅迫事件が起きています。これからもこのような事件は増えていくと予想され、otセキュリティ体制の構築は喫緊の課題になっているといえるでしょう。ところが、日本の工場ではこれへの対応があまり進んでいるとはいえません。

otセキュリティへの取り組みがなかなか進まないのは、対応できる専門家が不足していて、そもそも何をしていいのか分からないという事が大きな原因になっているといえるでしょう。しかしボヤボヤしてはいられません。欧米などでは、otセキュリティがしっかりと構築されていない企業とは取引しないという動きも出てきつつあります。サイバー攻撃を防ぐためにももちろん対策はしなければいけませんが、ビジネスに参加するためにも対応は必須です。